2017-09-15 おもさ 僕やあなたが思うよりずっと言葉は重くて鋭い。 きっと言葉なんて、 意味を含む羅列であるより、視覚的な音の連なりである方がずっと良い。 紙の上を行軍する文字の群れが、 ひとりの人間の生き様を投影していたとしても、 大勢の意見を巧みに集約していたとしても、 誰の憂いに刺さることさえなく、 眼前の彼女の涙腺を揺さぶることもないほど軽薄で良い。 体温のない重さは罪だから。 涙の行方を知らないあの人が必要としているのは、そんな重さじゃないから。