奈辺書房

不確かなこと日記。

忘れてしまうから

忘れてしまうから、いま思ったこととか感じたこと、考えたことを書く。いつか読み返した時に、思い出せるように。その時なにを言葉にしたくて、なにを言葉にできなくて悲しくなったのか思い出せるように。

 

忘れてしまうから、大切なひとと会う。あなたと過ごした時間や交わした言葉、変な癖は決して忘れないけれど、あなたの周りに漂う空気や、言葉にできない匂いや体温は、僕が思っているよりずっと柔らかくて軽くて心許ないから。なにも大切にできていないことを、ちゃんと忘れないように。LINEで送る言葉より、会って伝わる感覚を。

 

忘れてしまうから、6畳半のいまを生きる。昨日のことも明日のことも、思っている瞬間はいつだって「いま」だ。遠くのこととか、奥のこととか、ありもしないことで頭を悩ませるけど、僕にどうにかできるのは、せいぜい6畳半のことくらいだ。何のために生きているのか判からなくなって、自分だけが世界でひとりぼっちになったような気がする時は、目の前の6畳半のことだけを考えてみる。